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東京大学 大学院医学系研科 
​   田中輝幸先生

現在は東京大学を退職され、同大学の非常勤講師としてCDDの研究をサポートされています。
また、令和5年4月からは東京小児療育病院にて臨床医として重心児の治療に携わっておられます。

 

私は東京大学大学院医学系研究科の発達医科学教室において、主にマウスを用いてCDKL5欠損症の病態と治療法の解明に取り組んでいます。

 

私はマウスのCDKL5遺伝子機能を欠損させたマウスを作り、遺伝子・蛋白質レベルから、脳神経のシナプスレベル、けいれん、情動や記憶学習機能などの行動レベルにわたる解析を行って、なぜCDKL5遺伝子が変異をおこすとけいれんや発達障害を起こすのか、どうすれば治療出来るのか、明らかにしようとしています。

 

これらの研究は、研究室の学生さん、国内の多くの共同研究者、更に欧米の研究機関が、一緒に協力して進めています。私は元々、東京女子医大小児科で、故福山幸夫教授、大澤真木子教授、小国弘量教授のご指導の下、てんかんのお子さんの診療にたずさわっていました。

特に原因不明の重い乳児てんかんのお子さんから、たくさんの大切なことを学ばせて頂き、それが今の私の基礎になっています。私がCDKL5欠損症の研究を続ける大きな原動力は、その時は治せなかった病気と今度は研究者として向き合い、てんかんで苦しむお子さんとご家族の力になりたいという思いと、CDKL5というこれほど重要な遺伝子の働きをつきとめたいという思い、そして、それを命をかけて教えて下さったお子さんへの感謝の思いです。

これからまだまだ私たちの研究は続きますが、皆さんと一緒に、この病気の克服に向けて歩んで行きたいと思います。

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旭川医科大学小児科  

 高橋 悟先生

遺伝子の突然変異はすべての人に平等に生じる現象ですが、いつ・どこで生じるかはそれぞれの人によって異なります。CDKL5異常症は、精子あるいは卵子が形成される過程もしくは受精後の比較的早期の胎児期にX染色体上にあるCDKL5遺伝子に突然変異が生じることで発生します。

出生4〜6万人に一人の頻度で発生する稀な神経疾患です。日本での年間出生数はおよそ90万人ですから、毎年15〜20人の患者さんが新たにお生まれになっていると推定されます。

私は、遺伝子変異と臨床症状との関係、CDKL5異常症における脳内神経ネットワークの変化を調べる研究をしています。遺伝子変異によって生じる神経症状のメカニズムを理解して、治療法開発につなげたいと考えているからです。家族会の皆様には研究に協力して頂いており、この場をお借りして感謝を申し上げます。

 

私は、みなさんとの“つながり”ができたことを幸せに思っています。一人よりも二人、二人よりも三人の患者さんとお会いすることで、病気の理解が深まります。

そして、何よりもみなさまの夢をお聞きする機会に恵まれたことは、大きな力になっております。人と人との“つながり”には色々な関係がありますね。

同じ病気をもつ患者や家族との関係、患者と医者、医者と研究者、行政や製薬企業との関係もあります。もっともっとあると思います。皆が“つながる”ことで、一人でできないこともできる可能性が広がります。これからもよろしくお願いします。

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